ほんの数日前、Appleが2022年になってもiPod touchを販売し続けている理由を問う記事を書きました。偶然かどうかはさておき、Appleは火曜日にiPod touchとiPodブランドのサポート終了を発表しました。興味深いのは、今では時代遅れとなったiPod touchが、かつてはiOSエコシステムへの入り口だったということです。
電話のないiPhone
iPhoneは確かに革命的で、多くの人が購入を希望しました。しかし、Apple初の携帯電話だったため、初代iPhoneは6カ国でしか販売されませんでした。しかも、2年契約で499ドルという価格だったため、誰もがiPhoneを入手できるわけではありませんでした。幸いなことに、Appleは解決策を思いつきました。
音楽を聴くための専用デバイスを好む人々のために、iPodの全ラインナップは依然として残っていました。そして2007年9月、スティーブ・ジョブズは、初代iPod touchでiPhoneのテクノロジーをiPodに搭載すると発表しました。
他のiPodはすべてクリックホイールを搭載し、Appleが「iPodソフトウェア」と呼ぶソフトウェアを搭載していましたが、iPod touchは基本的にiPhoneから電話機能を取り除いたようなものでした。iPhoneと同じく3.5インチのマルチタッチディスプレイとiPhone OSを搭載していましたが、iPhoneと比べるといくつかの制限がありました。また、電話機能を内蔵していなかったため、iPod touchはiPhoneよりも価格が安く、多くの市場で発売されました。
それは成功の秘訣のように聞こえました。そして実際、その通りでした。ここブラジルでは、Appleは最初のiPhoneを発売しませんでしたし、キャリアロックインのため、他国で購入することもできませんでした。しかし、iPod touchのおかげで、私だけでなく多くの人がiPhoneの一部を体験することができました。
iOSエコシステムへのゲートウェイ
Appleが機能を高価なデバイスに限定するのは今に始まったことではありません。実際、iPod touchで何をしようとしているのか、Appleはよく分かっていました。iPod touchはiPhone OSを搭載しているにもかかわらず、一部の機能はiPhoneユーザーしか利用できないのです。
例えば、初代iPod touchにはSafari、YouTube、カレンダー、連絡先、時計、電卓、音楽、ビデオ、写真、iTunes Storeアプリしか搭載されていませんでした。株価、天気、メモ、メールといったユーティリティアプリは、当初iPod touchでは利用できませんでした。もちろん、これはiPodユーザーにいつかiPhoneを購入してもらうための策略でした。まるでiPod touchがiPhoneのライト版であるかのようでした。
正直に言って、それはとてもうまくいきました。iPod touchには、iPhoneの重要な機能が備わっていて、人々にiPod touchが必要だと思わせるほどでした。「ピンチ」ジェスチャーで写真を拡大したり、Safariでウェブページを開いたり、iPodで初めて加速度センサーが動作するのを見たときのことを覚えています。その瞬間、私は自分の携帯電話にもそれらすべてが欲しいと確信しました。
数か月後、AppleはiPod touchで不足していたアプリを有効にするソフトウェアアップデートをリリースしましたが、19.99ドルの費用がかかりました。その後何年もの間、AppleはiPod touchのソフトウェアアップデートを有料化し、iPhoneユーザーには無料で提供していました。
iPhoneの相棒
iPhoneが普及した後も、iPod touchはコンパニオンデバイスとして購入される人が多かったです。iPod touchの方が安価だったため、iPodに音楽を入れて、iPhoneのストレージをアプリや写真のために空けることができました。（ストレージ容量が4GBしかないiPhoneがあったことをご存知でしたか？）
Appleは2008年6月にiPhone 3Gを発表してから数ヶ月後、第2世代iPod touchを発表しました。今回は、新しいデザインに加え、ストレージ容量の拡大、内蔵スピーカー、Bluetooth対応、バッテリー容量の増大、そして何よりも注目すべきは、最新のApp Storeを搭載したiPhone OS 2.0がプリインストールされていたことです。
Appleが毎年新型iPhoneを発表するたびに、数か月後には同様のハードウェアと機能を備えた新型iPod touchが発表されていました。第3世代iPod touchはiPhone 3GSと同じ高速CPUとGPUを搭載し、第4世代ではRetinaディスプレイ、A4チップ、そしてiPhone 4と同じFaceTimeカメラが搭載されました。
結局のところ、iPod touch は、より安価で手頃な価格で iPhone の機能を体験できる手段だったのです。
時代の終わり
2011年は、Appleが初めてiPodの新モデルを発表しなかった年でした。iPod touchとiPod nanoのソフトウェアアップデートのみが発表されました。2012年は、AppleがiPod nanoとiPod shuffleの新モデルをリリースした最後の年でした。iPod touchも第5世代にアップデートされ、iPhone 5と似たデザインになりましたが、チップはA6ではなくA5を搭載していました。
しかし、その後、iPodファンにとって状況は悪化し始めました。2014年、Appleはクリックホイールを搭載した最後のモデルであるiPod Classicの販売を終了しました。1年後、A8チップを搭載した第6世代iPod touchがひっそりとリリースされましたが、それだけで終わりです。そして2017年、AppleはiPod shuffleとiPod nanoの販売を正式に終了しました。これらのモデルはApple Musicに対応していないためです。
2019年は同社が最後に新型iPodを発表した年でした。しかし、第7世代iPodもまた、A10 Fusionチップを搭載しただけの退屈なアップデートでした。それ以外は、iPhone 5と同じ小さな4インチ画面と、Touch IDのないホームボタンが採用されていました。
ストリーミング時代と高性能スマートフォンの融合の結果か、iPodは今や時代遅れになってしまった。iPodが恋しくなることはないだろうが、Appleと業界全体にとって、iPodがどれほど重要な製品であったかは、間違いなく忘れられないだろう。
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